はちみつさんの脳内

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映画「愛がなんだ」を見たら病んだって話

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昨日、住んでるシェアハウスの友達と映画「愛がなんだ」を見てきた。

公開前からInstagramで、成田凌やばい!楽しみ!みたいなストーリー載せてる女子が大量発生しており、「そんなみんな言ってるなら気になるなあ」と思い、YouTubeで予告編を検索してみた。

 

流れてきた予告を見て、確かにみんなが期待値を異常に上げている理由がすぐに分かった。

 

もう予告から切なさというか、なんか幸薄そーみたいな感じがプンプンするし、成田凌はクズ男っぽくってなんかそれはそれでいいし、岸井ゆきのの「こーゆー女いるよね」感がエゲツなく、なんとも言えない「良い映画感」を漂わせている。

 

「これは流石に映画館で見るしかねえ」

 

そう思っていた。

 

ただ、この映画はどう考えても男同士で観に行くもんじゃないだろという懸念点はあった。

 

普段、映画を観に行くといっても、だいたい5歳から友達の幼馴染か、哲学科のヤニカスギャンブル狂いイケメンの友達くらいしかいない。

 

今の所、彼女もいないし(ちな彼女と観に行かない方が良いと思う。まじで。)、女友達も彼氏いるし、誰誘うべきか分からんがやーと頭を抱えていた。

 

そんな時、ちょうどシェアハウス管理人のまるちゃん(27歳関西人女)が「愛がなんだ観に行きたいわー」と呟いたので、問答無用で観に行くぞと誘い、もう1人住人のめいちゃん(27歳女)を誘って3人で行くことになったのである。

 

道中、2人とも成田凌好きという事もあってか、めっちゃワクワクしていた。

 

かくいう僕も良い映画っぽそうだったし、なんか映画館行くの久しぶりだったのでワクワクしていた。

 

しかし、帰りの車内のテンションが行きより5割減する事をこの時はまだ知る由もない。

 

映画館に行くと、平日の夕方という事もあってか、制服を着たJKがわちゃわちゃと数人で観に来ていたり、1人で観に来ている自称映画好きを名乗っているであろう、おじさん、おばさんも多かった。

 

 ドリンクとチキンナゲットを買って、何でチキンナゲットやねん!とかつっこまれながら、年甲斐もなくJKに負けじと、3人ともきゃっきゃしていた。この時までは。

 

 

映画はいきなり岸井ゆきの演じる照子が電話をしているシーンがドアップに映し出されるところから始まる。

 

『愛がなんだ』どんなストーリーかよく分からない人のために、公式HPのあらすじを貼っておこう。

 

猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。

会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。

友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話一本で駆け付け(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。

 

大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。だけど。

マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない・・・。

 

角田光代のみずみずしくも濃密な片思い小説を、“正解のない恋の形”を模索し続ける恋愛映画の旗手、今泉力哉監督が見事に映画化。

テルコ、マモちゃん、テルコの友達の葉子、葉子を追いかけるナカハラ、マモちゃんがあこがれるすみれ…彼らの関係はあまりにもリアルで、ヒリヒリして、恥ずかしくて、でも、どうしようもなく好き…この映画には、恋のすべてが詰まっています。 

 

・山田照子(岸井ゆきの

・田中守(成田凌

・坂本葉子(深川麻衣

・中原青(若葉竜也

 

主要な人物構成はこんな感じ。

 

主人公の山田照子が田中守のことが狂気的に好きなんだけど、田中守はクズ男で、特に付き合いもしないし、都合よく照子を使っている。

 

坂本葉子は、照子の友達で、照子の相談にめちゃくちゃ乗る。田中守のことをイかれてるからやめろとアドバイスしてるけど、中原っていうカメラマンを都合よく使う女。

 

みたいな構成で成り立っている。

 

なんかこう、全体的なストーリー的にも非常に幸が薄いのが開始15分くらいでよく分かる。

 

 

そういえば上映開始前に、愛がなんだを観に行っている事をストーリーにあげたら、何人かの友達から、「あ、それ観たよ。病んだ。」とか、「おもんなすぎて途中で寝た。」とか不安になる感想テンコ盛りで送られてきた。

 

まあ病むのかなと覚悟はしていたが、寝るのは流石に無いでしょ。と思った。

 

しかし、確かにセリフの一個一個の間もめっちゃ長いし、しょーもない話がだらだらとワンシーンで何分も続く。

 

確かにこれは疲れてたら寝るわなあ(特に男は共感度低いと思う)と思いつつ、ぼんやり観ていた。

 

「なんか共感できるポイントほとんど無いな・・・照子メンヘラ過ぎてイライラするし、なんか虚無感がひどい。なんだこのモヤモヤは。」

 

終盤に入っても、僕はずっとそんな感想だった。

 

他の人どんな感じの気分で観てんのかなー?2人ともどんな感情なんだろこれ大丈夫か?と思ってパッと横を見た時に気づいた。

 

え?2人とも泣いてる・・・

 

いや待て待て分からない。なぜだ。何が刺さって泣けるんだこの映画で。

 

確かに2人とも普段から、感受性は豊かだ。めいちゃんも割と泣くし、まるちゃんに至っては、月が満月だったり、海が綺麗だったりすると泣き始めたりする。ちょっと毎回ビビる。

 

にしても、そんなポイントあったか。2人が20代後半女性であるから泣けるのか。自分がまだ子供だから泣けないのか。あれ?これ俺がおかしいのか?

 

色んなことを自問自答しつつ、映画は終わった。

 

映画が終わって、「確かにこれは病むな」と変に納得した。

 

なんか気持ちが重くなった。確かに愛ってなんだ。って考えさせられる部分はあったけど、刺さったというより、病的な気分になった。

 

隣の2人を見てみると、始まる前のテンションが100だとしたら、20くらいに下がってしまっている。僕もつられて17くらいのテンションだったと思う。

 

ほとんど会話しないまま映画館を出て、車に乗った。

 

 

帰路で2人に「映画のどこに泣けるポイントあったの?」と聞いてみた。

 

そしたら、やはり変に主人公の照子のセリフがグサグサ刺さるらしい。

 

「『好きです』とか『付き合ってください』とかじゃなく、20代後半の恋愛は、こんな風にもっとダラダラ始まるものだ」

「32歳以降のマモちゃんの世界に私は描かれていなかったどころか、その後数ヶ月連絡もなかった」

「愛?何それ?」

 

まあこれ以外にも色々あったらしいけど、自分と主人公の照子を重ね合わせて見てしまって涙が止まらなくなってしまったらしい。

 

2人とも基本的に強い人だし、面倒見も良いし、僕より大人だ。

 

20代も後半にもなると、20代前半の僕と比べても、経験値が違うので感じるものも違うんだろう。

 

ひょっとしたら、僕とタメくらいの人には、まだ分からない、20代後半ならではの、悩みとか葛藤とか、そういったものに共感したのかもしれない。

 

ただ、なんとなくそんなことを考えながら、自分は20代後半になっても感受性薄そうだなあと思ってしまった。

 

 

「病む」「気持ちが重くなる」・・・そんな症状を実際肌で感じてみたい!もしくは、なんか重くなりたい気分!みたいな人は是非とも映画館に足を運んでみてはいかがだろうか。

 

それでは。